(映画)「さらば青春の光」

珍しく映画レビュー。


さらば青春の光

BGM向きの映画。
1950年代後半から1960年代初頭、イギリスで流行した若者文化、モッズに身を投じた若者ジミーの物語。イギリスらしい皮肉がちりばめられている雰囲気映画だった。

細身の三つボタンのスーツにミリタリーパーカー、スクーターを多数のミラーやライトで装飾して深夜営業のクラブに集まりダンスや衣服を見せ合ったりする。

主人公ジミーは今でいうコミュ障で喪男で、努力もせずに自意識ばっかりが肥大した、薬中の不良。
昼間はきちんと仕事をし、地に足を付けた上での遊びとしてモッズである他の登場人物達。無断欠勤を繰り替えし、モッズに傾倒していくジミーは対照的だ。

「オレ他のやつと一緒はイヤだからモッズなんだ」という「あれ?モッズって流行ってるの?じゃあ、やーめた!」的な終焉をたどったモッズ文化。

モッズとロッカーズ。それは一つの行き方で宗教のようなものだと思うけど、ブルーカラーとホワイトカラーの間に存在する差別意識だとかを頭の片隅において鑑賞すると、またひとつおもしろい。