(読書記録)「百万の手」

百万の手」(畠中恵/創元推理文庫)

火事で親友をなくした少年夏貴。夏貴の携帯に死んだはずの親友から電話がかかってきて、犯人探しが始まる。

推理なのかサスペンスなのかオカルトなのかSFなのか、ジャンルがちょっと難しいね。
いっそラノベと思ってしまうほうがいいかもしれません。

扱っている素材がなー。
技術的なことではなく倫理面のみを描くあたりは上手。
ただ、人物描写はキャラクター過ぎていまいち。
各人が重いものを抱えている設定の割りに、思考が単純すぎて薄っぺらい。

難点はタイトルが少しこじつけっぽいのと、推理小説だけどオカルト要素が少々あるので、それが好きじゃない方もいるかも。そういう意味ではミステリじゃなくサスペンスなんだけろうけど、サスペンスと呼ぶにはちょっとリアリティが足りないし。オカルトサスペンス話題の新技術を混ぜた結果できたミステリ風のラノベかな。

ぶっちゃけて言うと劣化版の宮部みゆきといった印象なんです。

ヤフオクで文庫本まとめ買いしたんですが、どうだろうか。
一応「しゃばりけ」を楽しみにしているんですが。