(読書記録)「魔神航路」

魔神航路」(仁木英之/PHP文芸文庫)

僕僕先生」シリーズ以来、注目している仁木さんの作品。
系統的には僕僕先生よりも、「千里伝」のほうが近い。


夏休み、主人公の信之は、故郷の海辺の町に戻ってくる。故郷の町をでて半年。旧友たちとの再会と、海遊び。
突然の水柱をきっかけとした異世界へのワープ、そして脳内に響く何者かの声。
飛ばされた異世界は、ギリシア神話の世界。響くのは自分と融合してしまった魔神の声。
現代日本から流れ着いてしまった若者たちが、その世界で神々と結びつき、現代への帰還をめざす冒険譚。

舞台となる世界が広い海を抱く古代ギリシアだったり、現実世界は夏休みの海辺の町だったりで、全体に青くさわやかな空世界観なので、小学校高学年くらいの子が夏休みに挑戦するちょっと長編小説といった趣。

個人的には今のところ一番面白いのは僕僕先生シリーズかなぁ。
本作は、一応一冊で完結しているとはいえ、物語的には導入部っぽいので、続きに期待。