【読書120】コンスタンティノーブルの陥落

コンスタンティノープルの陥落」(塩野七尾/新潮文庫)

ビザンチン帝国の首都として、千年を越えて栄華を極めた都市、コンスタンティノープル
三重の城壁と金角湾に守られ、地中海貿易の要として栄えた古都は、どのようにしてオスマン・トルコの軍勢に敗れたのか。

最後のビザンチン帝国皇帝、コンスタンティヌス11世。対するは若きオスマントルコの王、マホメッド二世。
まず最初に目に付くのはこの敵対する二人の王の好対照さである。
名誉を尊びながらも穏やかな人柄で知られ、初老にさしかかろうとうう年齢の紳士であるコンスタンティヌス帝。一方で、後に征服王として名を残すことになるマホメッド二世は当時21歳。激しい気性で、軍を恐怖で統治する。

本作は、その場に居合わせながらも逃げ延びた数名が後に残した記録をベースとしている。コンスタンティノープルの陥落という歴史的事実が、再現ドラマのようにリアリティをもって描かれている。

読後すぐに再読したくなる書物も珍しい。コンスタンティヌス帝の立場から、あるいはマホメッド二世の立場から、そしてまたある時は一市民の立場から。コンスタンティノープルの陥落、という歴史的事実を多角的に記載してあるからだろうか。
初読では流してしまった各人についての細部をより堪能したい、そんな気持ちにさせてくれる一冊である。

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