【読書122】ことばの育み方

ことばの育み方」(中川信子監修/NHK出版)

NHKすくすく子育てのことばの習得に関する本。ある程度発達に関する本を読んでいると、短いだけに物足りなさも感じるが、1時間もかからず読めるので、出産前や出産直後に少し目を通しておくのに良い感じである。

大好きな人と同じものを見ようとすることを「共同注意」といいます。共同注意することで、赤ちゃんは好きな人とこころを通い合わせようとします。(27-28ページ)
調べたところこの共同注意は一般的に、生後9ヶ月頃から現れるようだ。9カ月というと二項関係(自己と他者)から三項関係(自己と他者ともの)に移行する時期らしい。
「いないいないばー」が二項、指差し行為が三項という説明が一番わかりやすかったかな。
三項関係をを通して、模倣や他者理解の足掛かりを気づく、ということのようだ。

意味のあることばを話せるようになるよりずっと早く、赤ちゃんは大人の話すことばの意味を理解します。(29ページ)
使える単語の裏側にはその10倍もの理解している言葉があるとも言う。
話すためには口の構造の発達や口周りの筋肉の発達が必要であろうから、ことばの習得よりも理解が先、というのは頷ける。
「説得すると聞いてくれる」とか「言えば分かる」などというのは子育ての最中よく聞くが、あながち妄想でもないかもしれない。

ことばの獲得においては、乳児側が大人を模倣するのはもちろんであるが、大人側が乳児を模倣する、ということが、遊びとして発達に効いてくるというのは面白い。
双方向感、対話感が楽しいのは大人でも同じか。

読んでいて感じたのは、ことばの習得と単語の獲得、コミュニケーションが取れることは、密接に関わっているとはいえ、全て別のこと、ということだろうか。
そして生まれもった性格が割と効いてくる。

しかしやっぱりもう少し詳しい本が読みたくなった。
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