【読書163】五龍世界(WOOLONG WORLD)―霧廟に臥す龍

五龍世界(WOOLONG WORLD)―霧廟に臥す龍」(壁井ユカコ/ポプラ社/ひたちなか市立図書館書蔵)

幼い頃、口減らしのために導師の元に捨てられた主人公ユギ。
彼女にとって、彼女を引き取ってくれた導師は恩師であり保護者であり気になる相手でもある。
酒に溺れ、麻雀にうつつを抜かし、結婚相手としては何故か未亡人を希望するろくでなしでありながら、優秀な導師であり街の人々の信頼を一身に集める師匠。
何を考えているかはいまいちわからない兄弟子の左慈とともに三人で暮らしていた。

ユギが15歳になった頃、その関係に変化が現れる。
きっかけは美しい子どもルーインと異国の牧師イルラック。
街を襲う疫病と、不調。

冒険小説であり、少女の成長物語である中華風ファンタジーである。

イルラックや左慈の設定は面白い。
世界感も悪くない。
ただ、全体を通して、語り口やノリが軽すぎる。
しかし児童書として読むにはネタがヘヴィー。

このくらいの語り口、内容、設定であれば、単行本ではなくライトのベルで十分かなと思う。
そう言った意味ではやや期待はずれの一冊だった。

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