【読書168】ゴーストハント2 人形の檻

ゴーストハント2 人形の檻」(小野不由美/メディアファクトリー/ひたちなか市立図書館書蔵)

心霊現象に関する調査を行う、渋谷サイキックリサーチ。
その事務所に一件の依頼が舞い込んだ。
曰く「古い一軒家に引っ越してから、何となくおかしい。物が消えたり、妙な音が聞こえたりする。気のせいならばそれでいい。とにかく調査をしてほしい。」と。
所長のナル、助手のリン、そしてアルバイトの麻衣はその屋敷の調査を始める。

そして実際に遭遇する怪奇現象。
依頼人の典子、兄嫁の香奈、前菜の娘の礼菜。使用人と不在の主人の秘書、無口な出入りの職人と入り組んだ人間関係が、怪奇をきっかけにこじれていく。
ポルターガイストはあからさまになり、家具の大々的な移動やガスの事故にまで発展する。
そこには隣人達すら知らない、過去があった。

徐々に明るみになる因果。そして終焉。
ゴーストハントの題名通りいわゆる幽霊退治の物語でありながら、そのストーリーはミステリの王道を辿る。
ナルを探偵、心霊現象を殺人事件と読み替えると、それだけで本格ミステリなのだ。
なのに、ちゃんと怖い。ホラーとして成立している。
その筆力はさすがとしか言いようがない。

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今年はここまででしょうか。
今年の読破数は71冊とだいぶふるわない感じに。
出産、引越しと全く本を読まない月があったのが効いているかな。
来年こそは100冊読みたいものです。

それでは皆さま、よいお年を。

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