(読書記録)「グリーン・レクイエム」

グリーン・レクイエム」(新井素子/講談社文庫)

新井素子さん二冊目。

三作の短編集。
まずは表題作の「グリーン・レクイエム」。
かつていた著名な植物学者。
かつて破たんのきっかけとなった弟子である研究者。
かつて少女に遭った学生の青年。

少女が悲劇のヒロイン化してしまったがゆえに起きる悲劇。
素材、雰囲気は面白いがデビュー作と考えるとこんなものかな、と思う。

「週に一度のお食事を」
吸血鬼もの。山なし落ち無し意味なしで高校文芸部の文集にありそうな感じ。
今一つ。

「宇宙魚顛末記」
大学生の主人公ひろみ。
友人のおじょうさんの失恋。誘われて訪れた海で拾った小瓶に入っていたのは悪魔。

古来、悪魔と天使は、文明のある惑星を使ってゲームをしているのだと言う。
地球上で争われるのは人類の存続と滅亡。
早く滅亡させるため、繁栄を授ける悪魔側に対して、天災や疫病による人口調整をもって人類を存続させようという天使側。
酔って願ってしまった、地球を食す魚の出現。
この辺の発想は面白いんだけど、回避策や結末がありきたりすぎる。

文体・内容ともに良くも悪くも少女小説。
おしまいの日」が面白かったからヤフオクで何冊かまとめ購入したのでとりあえずもう何冊か読む予定だけどどうだろうか。
ちょっと心配。