【読書050】「ドングリの謎: 拾って、食べて、考えた」
「ドングリの謎: 拾って、食べて、考えた」(盛口満/ちくま文庫)
埼玉県飯能市にある私立自由の森学園中学校・高等学校の教諭で、拾い物を趣味とする筆者がどんぐりをテーマまとめたフィールドワークノート。
ボルネオで世界最大のどんぐりを拾う?どんぐりってどうやって食べればいいの?美味しいどんぐり、あくの強いどんぐり。どんぐりの生り年に、どんぐりの花。どんぐりの捕食者とどんぐりの生存戦略。
…そもそもどんぐりってなんなんだ?
どんぐりをテーマに、観察で感じた疑問、生徒たちの質問、新たな知見とそれに対するさらなる疑問。スケッチを多分に盛り込んだ本書はまさにフィールド・ノートというべき一冊だ。
誰かに理科、生物を教えようとする前に本書を読んだら、教え方が全く違うものになりそうだ。
どんぐりという木の実一つとっても、どのようなところに疑問を持つのか。
本書で出てくる生徒たちは、通常の学校に通う生徒たちとは全く違う環境におかれてはいるけれど、通常の学校の生徒でも大人でも抱く疑問は同じようなものだと思う。
中学生が読むにはやや難易度が高いかもしれないけれど、中学生くらいの頃に読めたら生物が好きになれる子も出てきそう。