2012-01-01から1年間の記事一覧

(読書記録)「高熱隧道」

「高熱隧道」(吉村昭/新潮文庫) 黒部第三発電所建設のため、水路トンネル及び欅平駅〜軌道トンネルの開通を目指す現場を描いた一冊。資材運搬中の転落死にはじまり、岩盤温度はセ氏150度を超える灼熱地獄、宿舎を襲う大雪崩。無残に死んでゆく人夫たち。 国…

(読書記録)「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」

「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」(下川 裕治/新潮文庫) 軽い旅本ブーム。 先日紹介した「旅する胃袋」が好きなことをした結果が本になった本であるのに対して、本書は面白いことをしようとして面白いことをした本という印象。時事問題、歴史的…

(読書記録)「旅する胃袋」

「旅する胃袋」(篠藤 ゆり/幻冬舎文庫) ◆内容紹介 標高4000メートルの寺でバター茶に癒され、香港で禁断の食材を味わい、砂漠で人生最高のトマトエッグスープに出会う――。食に対してずば抜けた好奇心を持つ著者が、強靭 な胃袋を通して世界に触れた11の風味…

(読書記録)「精神科ER―緊急救命室」

「精神科ER―緊急救命室」(備瀬 哲弘/集英社文庫) 府中病院の精神科ERに勤務していた筆者の手記の様な感じ。本書中で筆者自身も悩みの対象としているが、ERという部署の特質上、長期的なケアができない。 そのため本書においても急性症状に対する処置とその後…

「栗いっぱいのパウンドケーキ」(仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門)

名古屋高島屋の地下で、目に留まった一品。 仏蘭西焼菓子調進所 足立音衛門さんの「栗いっぱいのパウンドケーキ」。 義母さん、栗が好きだし、いつも大変お世話になっているし、ちょうどいいやーと思って購入。 さすがに「栗のテリーヌ「天」」の方は買えな…

(読書記録_漫画)「この度は御愁傷様です」

「この度は御愁傷様です」(宮本福助/モーニングKC) 遺言は「遺産分配はダーツで決めろ」。 1人の男の死。3人の子供と1人の孫。家屋をたまり場にする近所の老人たち。 男の遺産をめぐり、死をめぐり、過去の職、行いをめぐり巻き起こる喜劇。なーんか面白…

(読書記録)「後宮小説」

「後宮小説」(酒見賢一/新潮文庫) 第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。あらすじ読んでずっと読んでみたかった一冊をついに購入。中華風ファンタジー。 腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗。素乾国の田舎に生まれた銀河が槐宗の後宮に入宮…

戦利品

行きつけの本屋の雑貨コーナーで購入。ポストカード。 拡大。クロスステッチの図案に使えそう。 シュシュ。 紺色のワンピースを買ったのでそれに似合うように。夏のセールで買った花柄の布に、不良在庫のゴムで。 夏らしくて可愛らしい。あとは、安物リネン…

(映画記録)「サウンド・オブ・ミュージック」

「サウンド・オブ・ミュージック」 映画2本目。往年の名作、世界名作劇場の「トラップ一家物語」ですよ。 母が好きだったので実家にビデオあったよ。劇団四季のミュージカルも見に行った記憶があるよ。お転婆修道女のマリアが、トラップ家に家庭教師として派…

(映画記録)「オペラ座の怪人」

まど★マギが見たくてTUTAYAに行ったけど、貸出中だったので代わりに映画を日本借りてきた。一本目がこちら、「オペラ座の怪人」 1870年パリのオペラ座を舞台に、続く事故、プリマドンナの降板、新人バレリーナの大抜擢と舞台の成功。 頭角を現していくバレリ…

(読書記録)「歪笑小説」

「歪笑小説」(東野圭吾/集英社文庫) 小説業界の裏側を描いた連作集。短編で12話。 メインとなるのは二人の若手作家。片や新進気鋭の職業作家、片や自称ハードボイルド作家。作家と編集者、豪腕編集長と売れない作家。売れてないのに引退会見をしたがる作家。…

(読書記録)「魚神」

「魚神」(千早茜/集英社文庫) 本土から隔離された島。イメージ的には明治とかその辺の時代の変革期の頃。かつては一大遊郭が立ち並ぶ島で、遊女になるべく育てられた白亜と弟のスケキヨ。 隔離された空間に育まれた独自の文化。子供時代から大人になるまで続…

(読書記録)「宵山万華鏡」

「宵山万華鏡」(森見登美彦/集英社文庫) 京都の宵山祭りを舞台に、ある話の脇役が次の話の主人公になり、つながっていく連作中篇集。 正直、一話目の「宵山姉妹」を読んだとき、失敗したかなと思った。 実は、森見さんの作品では、以前、「夜は短し歩けよ乙…

(読書記録)「銀の匙」

「銀の匙」(中勘助/岩波文庫) 作者の自伝的な回想記録風小説。夏目漱石大絶賛だったという一作。伯母さんにひっついて引っ込み思案だった幼少期を描く前半と、感受性豊かに成長し、他者への攻撃性を内包し始める後半。無理やりあけた開かない戸棚の中から出…

(読書記録)「魔神航路」

「魔神航路」(仁木英之/PHP文芸文庫) 「僕僕先生」シリーズ以来、注目している仁木さんの作品。 系統的には僕僕先生よりも、「千里伝」のほうが近い。 夏休み、主人公の信之は、故郷の海辺の町に戻ってくる。故郷の町をでて半年。旧友たちとの再会と、海遊び…

2012福井旅行後編 (福井県立恐竜博物館)

2日目朝。 一路「福井県立恐竜博物館」へ。高速を降りて、荒れ狂う九頭竜川をわき目に雨の中を走ります。 途中、恐竜の描かれた看板や、大きな像があったりしてなかなか楽しい。遠くからでも目立つ、ドーム型の建物でした。入り口でチケットを買って入場。 …

2012福井旅行 前編(まつや千千)

先日、パスポート取得のために有給を取ったので、ついでに小旅行に行ってまいりました。昼過ぎに豊橋を出発。 北陸道で目的地は福井県、芦原温泉と恐竜博物館。 今回は少しいい旅館に宿泊してみようというコンセプトで、まつや千千の「AKB」プランを選択。オ…

(読書記録)「水木しげるの雨月物語」

「水木しげるの雨月物語」(水木しげる/河出文庫) 雨月物語(上田秋成)より「吉備津の釜」「夢応の鯉魚」「蛇性の婬」の三篇が、水木しげるの挿絵付きでまとめた一冊。挿絵が多く、構造としては絵本に近い。雨月物語自体は、江戸時代の読み本で怪異小説9篇から…

(読書記録)「Another」

「Another(上)」「Another(下)」(綾辻行人/角川文庫) サスペンスホラー。間違ってもミステリではない。主人公榊原恒一が転入することになった夜見山北中学。 転入先の3年3組はある現象の影響下にあった。 いわく、4月になるとクラスの構成員…

化粧品2012

今年も化粧品購入の季節がやってきました。ファンデーションがなくなったので、ついでにいろいろ購入です。 化粧水とかケチってちふれだったのですが、年齢のせいかシミそばかすが出てきたので、今回は美白メインでいくことに。ファンデーションは、トラブル…

(読書記録)「おしまいの日」

「おしまいの日」>(新井素子/中公文庫) ずっと読んでみたかった新井さんの本。 多忙な夫忠春と、依存心の強い妻三津子。結婚七年目。夫は一流企業の出世頭。都内に一戸建ての借家を借りて、夫婦仲はよく幸せなはずな家庭。 三津子の体調の変化をきっかけとし…

起立性低血圧

起立性低血圧のシーズン到来でございます。 昨年は自転車通勤だったので、立ちくらみが起きるのは朝礼中。影響は朝礼離脱くらいで済んでいたのですが。 仕事の変わった今年は、電車通勤。立っていられないのはもちろん、途中下車したくなるくらいの吐き気と…

(読書記録)「おやすみ、こわい夢を見ないように」

「おやすみ、こわい夢を見ないように」(角田光代/新潮文庫) 「予定日はジミー・ペイジ」が面白かったので、角田さん二冊目。全く関係ない女たちの悪意が露呈していく。サスペンス的な7編の短編集。根拠のある、根拠のない、明確な、唐突な。 あれだけ悪意を…

(読書記録)「The Indifference Engine」

「The Indifference Engine」(伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA) 伊藤計劃の短編集。 表題作の「The Indifference Engine」は「虐殺器官」のスピンオフで、グロ描写有のSF。「セカイ、蛮族、ぼく。」とか秀逸すぎる。記号としてのキャラクタライズ。 もともとは同人…

ジム通い

トルコ旅行への体力づくりと、ダイエットかねて会社近くのジムに入会してみた。ボディバンプ超楽しい。 なんか軽度のダンベル運動エクササイズ。ビリーさんにおけるあの掛け声の重要性を理解したよ。

(読書記録)「まほろ駅前多田便利軒」

「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん/文春文庫) 第135回(平成18年度上半期)の直木賞受賞作品。 東京のはずれに位置する「まほろ市」。その駅前にある便利屋「多田便利軒」の主人多田と、転がり込んできた多田の高校時代の同級生、行天。 二人を中心にした…

(読書記録_番外)「いまこそ知りたい、イスラム」

「いまこそ知りたい、イスラム」(Pen+別冊/2012/5/17号) 10月末くらいに、トルコ旅行を予定しているため、トルコ・イスラムブーム中の私。美しいモスク、幾何学的な配列、優麗なアーチ。眺めて楽しく、相当お気に入りの雑誌。 正直、内容はちゃんと読んでい…

(読書記録)「予定日はジミー・ペイジ」

「予定日はジミー・ペイジ」(角田光代/新潮文庫) 流れ星、直感、そして始まる妊娠生活。新米妊婦のマキの戸惑いが日記形式で語られる。 現実感なく、体内で育っていく何か。妊娠初期の妙な衝動。不安感を体現するような夢。 己以外のテンションと、自分のテ…

(読書記録)「家守綺譚」

「家守綺譚」(梨木 香歩/新潮文庫) 分筆家の私、綿貫征四郎と、庭付きの日本家屋を舞台にした随筆風の小説。私に懸想するサルスベリ。ボートで掛け軸から現れる亡友。犬のゴロー。小鬼に人魚、四季折々に出没する数多が自然の一部として当たり前に存在する世…

(読書記録)「鬼やらい」「花守鬼」

前作「一鬼夜行」の続編。二作目、三作目。まずは「鬼やらい」から。 「鬼やらい〈上〉」「鬼やらい〈下〉」 (小松エメル/ポプラ文庫ピュアフル) 前作から半年後、相変わらずの閻魔顔の喜蔵、妹の深雪にへたれ幼馴染の彦次。彼らのもとに猫又妖怪の小春が再…